永代橋佃しま ーえいだいばしつくだしまー

東京都中央区にある隅田川で一番長い橋 永代橋の夜景図です。 


 佃島には家康の渡船に貢献した 大阪の漁夫たちが移り住み 

 毎年11月〜3月までの間 漁の特権を使って白魚を獲り、幕府に納めていました。 


とはいえ1855年に起きた大地震で 永代橋は崩れているので この絵に橋の姿はありません。 

実際には描かれた直後に復建されたようですので 

広重が描いたのは橋の上から見える筈の光景なのかもしれません。 

白魚漁のかがり火 

 その向こうに見えるのは実際には佃島ではなく

石川島といって無宿人の社会復帰施設であったとも言われています。

夜の隅田川にある月は 満月に向かう上弦の月。

この月が出る時は迷いが多いが 

 決断に向け一歩ずつ前進できる そんな時期だそうです。 

新しい橋が架かり 復興に向かう気持ちをこめて 

 この月を 広重は描いたに違いありません。 

こちらは北斎の描いた昼の佃島(つねきち模写)



北斎のダイナミックさとまた対照的に

広重の表現は静かな情感が伝わってきます。

つねきちの筆が やさしくやさしくそんな雰囲気を表しました。

永代橋から見える月は 太陽とはまた別の輝きで

人々に確かな希望と導きを与えてくれているのです。





模写絵師つね吉八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つね吉が描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目は時空を超えて当時の景色をそのまま映しているのです。 そんな独特の「つね吉流儀」をお楽しみください。

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