両ごく回向院元柳橋 ーりょうごくえこういんもとやなぎばしー
両ごく回向院元柳橋 りょうごくえこういんもとやなぎばし
歌川広重名所江戸百景より水彩模写 つねきち
富士山の右下にあるアーチ型が 元柳橋です(少し見えづらいですが)
回向院は 墨田区両国2丁目にある浄土宗の寺院で、
あらゆる宗派と 生あるもの全ての供養を受け入れる場所です。
それは1657年の大火事により
108,000人もの供養をした事が始まりでした。
この大きな供養をする設備を整える為 境内では勧進相撲(かんしんすもう)が 行われました。
櫓の上にお客集めの太鼓があり、この日も相撲が開催されたようです。
回向院相撲は約76年間
この地で日本の相撲の歴史を作りました。
勧進相撲とは 寺社の修復等の為の募金集めとして
戦国時代から始まったものですが
のちに風紀を乱すとして禁止されてしまいます。
それでも相撲人気は衰えず 江戸時代に向け徐々に復活していきました。
その頃は境内に3階席まである巨大な仮説小屋を建てる事もあり
庶民の相撲好きが伺えます。
明治時代までは女人は禁制だったそうですが
1909年に国技館が建設され、翌年からは本格的に大相撲が開催される事となりました。
帆に風を受けた船たちが 隅田川を進んでいきます。
下に見える家の屋根はどれも立派な瓦葺。
生い茂る木々の姿を見ても、この辺りが栄えていた事が伝わってきます。
供養をするお金の為に開催されたのが始まり
そう聞くと大相撲のあの厳かな雰囲気もわかる気がします。
そしてここからもくっきりと見える富士の姿 。
櫓が鳥居のようにも思えてきます。
デフォルメもあると思いますが 歴史がびっしりと詰まった名所江戸百景。
その模写はまだ始まったばかり。
神田神保町でつねきちは
毎晩遅くまで描き続けています。
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