山下町日比谷外さくら田 ーやましたちょうひびやそとさくらだー
歌川広重の名所江戸百景三番目の絵
山下町日比谷外さくら田
つねきち水彩にて模写
現在の銀座にある小学校付近から見えた風景だそうです。
オフィスビルが立ち並ぶこの地域から 昔は富士山がはっきりと見えていました。
お堀の向こうにあるのが松平肥前守鍋島家のお屋敷。
鮮やかな赤い門が
名門としての存在感を際立たせています。
鍋島藩はこの絵が描かれたおよそ200年前に起きた 島原の乱で
抜けがけの手柄を立てましたが
軍法違反として幕府から蟄居を命じられました。
その年末に処分がとけましたが、
お屋敷ではお正月の準備などしていませんでしたので
屋敷の中にあった俵をほぐして 即効のしめ縄飾りを作りました。
赤い門の上にある黄色い部分です。
以来、このお飾りは藩の幸運のシンボルとなったそうです。
こちらは全国的なお正月のシンボル、羽子板。
羽子板は羽根つきだけでなく 魔除けとして女性にあげる習慣がありました。
江戸時代では歌舞伎役者をかたどった 押絵羽子板が流行し
その後だんだんと高級になり金箔を施した物もあったそうです。
幕府は販売禁止などの制約を与えましたが
今では江戸押絵羽子板として 外国にも人気を博し
東京都から伝統工芸品に指定されています。
松と羽子板、お堀のカルガモ。
やさしい花札のような構図です。
凧と追羽が空を舞う
のどかなで平和な江戸のお正月。
お屋敷の赤い門があった所は 現在の日比谷公園の噴水あたりになるそうです。
新年がきたらお散歩してみたいですね。
0コメント