6度5分の情熱

アンリ マティス ルーマニア風のブラウス(La blouse roumaine)の模写


マティスはこの最終構図に落ち着くまで、13枚ものあらゆるバージョンを繰り返し試行錯誤したそうです。

ルーマニア民族衣装からの模様、シンプルでしっかり仕立てられたブラウスの形、白がミックスされた独特の手指、出身国を感じさせない顔立ちが特徴となっています。

つねきちは色の魔術師からのメッセージをそのまま受けましたが、その顔だけには大和撫子の魂を吹き込んだかのようです。

すなわち絵の主役をブラウスからヒロインに移行させ、作品に体温を持たせました。

オリジナルが描けない、そんな脳の構図を持った彼自身が、人として絵師としての機能を目覚めさせた一枚となりました。


※6度5分の情熱…人が心身ともに正常な機能を発揮する体温は36.5度以上といわれています。

マティスの情熱的な赤を描きながらつねきちの体温は目覚め、優しく強い器として、作者の魂を迎え入れたに違いありません。




その他のマティス模写はこちら ↓

模写絵師つね吉八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つね吉が描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つね吉流儀」をお楽しみください。

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