人生の楽しみ方

アンリ マティス 生きる喜び(Le bonheur de vivre)の模写


つねきちは小学生と中学校は学区内の複式学級、高校は特別支援学校に通いましたが、担任の先生が口を揃えて言ったのが「この子は人生の楽しみ方を知っていますね」ということでした。

母である私はつねきちを特別厳しく躾けたわけではなく、(多動もかなりあったので)野放図、そして彼が悪さ以外の何かをして見せた時には、何を置いても手放しで褒める事に徹しました。

それが例えなぐり描きでも音の外れた歌であっても、一歩外に出ればどこかへ走り去ってしまう我が子を毎日探し続けていた私には、「息子がそばにいてこっちを向いている」だけでバラ色の時間に思えたからです。

仕事から家に帰り息子を見る度に「今日も無事に、会えてよかったね」と抱きついて過ごしました。

そして人生の楽しみ方について

息子は朝早く起きて絵を描きます。昼間は仕事をし、自分で食事を作り片付け、夜からまた模写をします。

何を食べても「美味しい!」と言うし、どれほど細かい模写の作業も「オレ、頑張る!!」

買い物に行くと「一緒にいくいく!!」新発売を見つければすぐ買ってくるし、ラインには無数の友達がいるし、ゲームも本気で勝負する、とにかくいつもやる気です。

この前向きさはきっと生まれつきなのだと思います。

人生のすみずみまで楽しんでいるつねきち。

そんな彼といると、私も生きる喜びを感じるのです。

模写絵師つね吉八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つね吉が描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つね吉流儀」をお楽しみください。

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