王子瀧乃川 ーおうじたきのがわー
歌川広重名所江戸百景より
王子瀧乃川(おうじたきのがわ)
水彩にて、模写絵師つねきち
江戸時代、石神井川は流れがはやく
七つの滝で有名な
観光の名所となっていました。
この絵の中にあるのは
その中のひとつ
「弁天の滝」と呼ばれる滝です。
夏は避暑、秋は紅葉の地として
たくさんの庶民が訪れたこの場所ですが、
今回は楓が色づく秋のシーズン。
小岩にある屋根の中で
お酒を飲んでくつろいだり
川に入って魚を採ろうとする人々が
描かれています。
そして赤い鳥居の奥の
洞窟の中にあるのは
松橋弁天と呼ばれる弁天さま。
それを取り囲む岩場のくぼみを
つねきち流儀の塗りぼかしが
神聖な雰囲気を醸し出しています。
この地は源頼朝が
伊豆から武蔵国に兵を出した時
隅田川を渡った際に立ち寄り
勝利祈願をした所と言われています。
そして、右上に見える金剛寺は
弘法大師(空海)が建立し
自らの手で作った
不動明王像が安置されているそうです。
弘法大師、源頼朝
そして不動明王にちなんだ風景は
こうして絵で眺めるだけでも
どっしりと力強く
心の中に神聖な根を張るようです。
弁財天の岩屋は
1975年の石神井川の工事で
取り払われてしまいましたが
紅葉寺と呼ばれる金剛寺と共に
厳かな景観が
現在も残っています。
こちらは、つねきちが描いた「王子不動之瀧」
七つの滝の一つで
当時一番人気と言われた場所です。
このまっすぐな水の流れが
不動明王の持つ「倶利伽羅件」に
例えられていました。
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