水道橋駿河台 ーすいどうばしするがだいー


歌川広重名所江戸百景より

水道橋駿河台

水彩にて

模写絵師つねきち


本郷台地からみた駿河台の景色の中で

風に踊る巨大な鯉のぼりたち。

子供の成長を願う

江戸の人々の豪快さが伺えます。

鯉の向こうの木々がある辺りが

現在の水道橋駅で

その奥には東京ドームがあります。

近辺にはお武家屋敷が立ち並び、

橋の上を大名たちが通っています。

神田川の下流に

飲水用の管があったことから

この橋は「水道橋」と呼ばれました。

この時代は感染症などの治療が難しく

乳幼児の平均寿命が

極端に短かかったため

「7歳までは神のうち」と言われ

その年齢まで無事に育った子供は

特に盛大にお祝いしたそうです。

色鮮やかに塗られた、つねきちの鯉のぼりを見て

江戸時代に障がいを持ち

生まれたお子さんと親御さんは

さぞご苦労なさっただろうなあ、と思いました。

広重の浮世絵に触れるにつけ

当時障がいを持つ方々の職業であった

「棒手ふり」や「瞽女(ごぜ)」の人たちも

頭をよぎりましたが

そこにいく前の段階などでは

特に苦しみ悲しみも多く

それら全てを乗り越え、気を強く持って

生き抜いてきた人たちに

心から敬意を払い、

便利な生活を送る今を生きる私たちは

それに恥じないよう

命を、日々を、周囲の人々を

大切にして過ごさなくては

いけないと思います。

変わらないものは今も昔も

親が子にかける愛。

その愛の度肝を抜く程の雄大さを

この鯉のぼりの構図は見せていると

思うのです。



模写絵師つね吉八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つね吉が描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つね吉流儀」をお楽しみください。

0コメント

  • 1000 / 1000