大きな赤い室内

アンリ・マティス

「大きな赤い室内」1984年

油彩にて 模写絵師つねきち


晩年を迎えたマティスが

最後の装飾画として、手がけた

壁も床も赤い部屋は

遊び心で描かれたようでいて

実はとても緻密で知性的。

絵の上部に並ぶ2枚の絵は

片方がカラフル

もう片方がモノトーンと対照的です。

そして絵の間にある線は

双方が平面に並ぶのではなく

実は壁の直角に

飾られていることを知らせています。

この線は椅子から下には消えており

このことが、全体のバランスを

優しく整えているともいえます。

丸いテーブルの上には、観葉植物。

おしゃれで可愛らしい雰囲気です。

四角いテーブルの上には

花瓶に生けられた花とフルーツ。

床には獣の敷物があります。

そして黒の肘掛椅子。

実はこの椅子こそが、絵の主人公。

マティスの1番伝えたかった事なのではないかと思うのです。

何故なら、彼が求めていたものは

「人々を癒す肘掛椅子のような絵」であり、

一見ごちゃごちゃにも見える構図で

全てのアイテムは左右対称に置いてありますが、

この黒い椅子だけは

ただひとつ、絵の中心にいます。

赤は情熱的で

奇抜さをイメージさせるかもしれませんが

本当はとても心が落ち着く色です。

人の内面を守り

原点に帰す波長を持っています。

つねきちは、やすらぎの色で部屋を塗り

マティスから引き継いだ

癒しの椅子を描きました。

それはまるで絵の中の全てを

支えているかのように見えます。

模写絵師つね吉八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つね吉が描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つね吉流儀」をお楽しみください。

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