八ツ見のはし ーやつみのはしー

歌川広重名所江戸百景より

八ツ見のはし

水彩にて 模写絵師つねきち


現在の東京都八重洲にある

呉服橋交差点付近に

一石橋という橋があり、

堀が交差していて、東西南北に八つの橋が見える事から

八ツ見橋、と呼ばれていました。

その欄干が左端に見えています。

向こう岸に小さく見えるのは銭亀橋。

その向こうには道三橋があり

さらに先には江戸城の櫓がありますが、

現在の地下鉄大手町駅の上にあたる部分だそうです。

雪を被った富士山が

江戸の初夏に清廉な空気を流しています。

柳と燕は

待ちに待った季節の訪れを表す事から

とてもよい組み合わせ、と言われていました。

小まめに動き、子育て上手な燕は

縁結びと安産の象徴であり、

水に強く根が頑丈な柳は

地震や水害からの被害を食い止めてくれる

心強い存在だったのです。

船から船へ荷を積み替える

瀬取り船(せどりぶね)が

四つ手網で漁をしています。

全ての方角をおさめる八ツ見と

最強の山・富士山

そして江戸城

柳に燕

これ以上ないというぐらい

縁起の良さが揃いました。

良い事には思い切って

欲張りになってみると

心に充実感が得られるかもしれません。

晴れ男のつねきちにとって

描きこむ事が楽しい

作品になったかと思います。

模写絵師つね吉八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つね吉が描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つね吉流儀」をお楽しみください。

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