糀町一丁目山王祭ねり込 ーこうじまちいっちょうめさんのうまつりねりこみー

歌川広重名所江戸百景より

糀町一丁目山王祭ねり込

こうじまちさんのうまつりねりこみ

水彩にて

模写絵師つねきち


糀町とは現在の麹町のこと。

山王祭は正式名:日枝神社大祭で、

隔年6月中旬に行われている

天下祭のひとつです。

手前に見える水流は桜田濠(さくらだぼり)で、

土手の上に半蔵門があります。

祭りでは45番もの山車が集まり

市中を巡ったのち江戸城に入り

将軍も見物をします。

その一番手である猿の山車が

半蔵門から入ろうとしているところです。


そして手前に見える紫色の山車からは

鶏の羽が見えています。

半分しか描かれていないのは

半蔵門に入るから→半分だけ

という洒落なのだそう。

江戸内にある神社などは

江戸の鬼門を封じていたと言われ

神田明神と日枝神社は

江戸城から見た表・裏の鬼門封鎖の場として

存在していました。


当時、天下祭と呼ばれたこのお祭りは

豪華絢爛な山車で

江戸が埋め尽くされるほどでした。

時代が移り変わり

震災・戦災で多くの山車は焼失してしまいましたが、

そのまま残ったり、復元されたものが

今でも大切に

保管されているようです。


江戸の震災からの復興を描いた

この作品シリーズの中で

人々の賑わいと信仰を表す

幸せに顔を向けた一枚と呼べるでしょう。

模写絵師つね吉八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つね吉が描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つね吉流儀」をお楽しみください。

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