銅の花瓶のアミガサユリ
フィンセント・ファン・ゴッホ
銅の花瓶のアミガサユリ
油彩にて 模写絵師つねきち
ゴッホがまだ精神を病む前の
1887年に描かれた
濃厚な質感の花を
つねきちがさらにデフォルメして描きました。
静物の色や質感、光の具合
その一瞬一瞬が
ゴッホの目にはまるで
「暴動の祭典」のように映っていたそうです。
題には「アミガサユリ」とありますが
正式には「ヨウラクユリ」といい
ヨウラク=瓔珞=仏具、の意味があるそうです。
原産地はヨーロッパで
英名がインペリアリス(帝王)フリティラリア。
種の中で最高に美しい花という意味で、
このように7〜8個の花がまとまって咲きます。
見た目は美しいけれど
毒があるともいわれます。
ゴッホが夜の暗闇を抜けて、ランプのある部屋に入ると
光のオレンジ色が強く見え、
青が特に印象的に見えました。
輝く光は白い粒となって
部屋の空気に降り注ぐよう。
ゴッホの模写をするつねきちの目にも
私たちとは別の世界が
見えていたのかもしれません。
この絵を描いていた当時
パリに住んでいたゴッホは
最も意欲的な時代を過ごしていたようです。
常に新しい技法を試み
特に日本の浮世絵には興味をしめし
歌川広重の名所江戸百景の
模写もしていました。
ヨーロッパの庭園で春に咲く
帝王の花が
濃密に輝く時を提供していたことを
はっきりと感じられる
つねきちの複雑な筆使いです。
塗りを幾度も重ね
丁寧に、丁寧に
描いている時は別人になる、つねきち。
その目に映る光は
真夏の海に躍る 飛沫のように速く
そして凍てつく空から
落ちてくる雪のように
時間をかけて
瞼のうちに降りそそぎます。
誰よりも、ゴッホの気持ちに近づいたとき
この絵が完成しました。
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