亀戸天神境内 ーかめいどてんじんけいだいー
歌川広重名所江戸百景より
亀戸天神境内
かめいどてんじんけいだい
水彩画 模写絵師つねきち
「藤は亀戸」と江戸時代から呼ばれたように
現在の江東区亀戸にある天満宮=亀戸天神は
藤棚が美しいことで有名でした。
この絵は東側から男橋を描いたもの。
この橋の上からは
境内の藤棚が一望にでき
当時から観光客で賑わっていました。
亀戸天神は学問の神様。
その中は九州太宰府天満宮を模し
造られたものです。
大鳥居をくぐり
男橋=生きてきた過去
平橋=今が見える現在
女橋=希望の未来を表す
三つの橋を渡る事がお清めとなり
そこから神前に向かいます。
三つの橋はちょうど
縁なし眼鏡の形のような並びになっており
その凹凸が人の一生のようで
ここに祀られた、菅原道真の人生と
重なるようだとも言われています。
急カーブの橋を降りる親子連れ。
子供の方が先に進み
引っ張られるようにして
こわごわ降りる母親がいます。
藤と橋そして松が
豪華絢爛な彩りを見せています。
先の方には茶店が並び
休憩する人々がいるようです。
つねきちも、この辺りの彩色には
何日も時間をかけ
昨夜半に仕上がったのがこの作品です。
昼間も描いてはいますが
集中できるのは、やはり静かな夜中。
ですので、つねきちは
お昼寝で体調管理をしています。
亀戸天神は1657年の明暦の大火後に
幕府が復興を促す為
当時の将軍家綱が
土地を提供した所に建てられました。
現在も藤まつりは
毎年4/25〜5/5ごろまで行われますが
他にも秋の菊祭りなどが有名です。
ギリシャ神話では
プロメテウスが天界から火を盗んだ事に
怒った神ゼウスが
人類に災いをもたらす女を
下界に送った、とされています。
この女パンドラが
好奇心で開けた禁断の箱から
あらゆる災いが飛び出して行き
あわてて蓋を締めると
中には「希望」だけが残った
というのは有名なお話です。
実はこれには
「手元に残ったのは希望だった」
という解釈があり
今回の解説に出てくる「女橋=希望の未来」
と、重なるところがあります。
そして藤の花ことばは
歓迎 優しさ 忠実
女性らしく美しいイメージですね。
この文章を書いている私も
思わず明るい気持ちになれるような
藤棚のたおやかな光景です。
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