堀切の花菖蒲 ーほりきりのはなしょうぶー

歌川広重名所江戸百景より

堀切の花菖蒲

水彩にて 模写絵師つねきち


江戸時代、小高伊左衛門という人が

全国の菖蒲を集め

庭に植えた事が始まりといわれる

堀切の花菖蒲園。

湿地帯とも相性がよく

次々と種類が増えていったこの園には

たくさんの人々が訪れていました。

菖蒲の花ことばは

「嬉しい知らせ」

「あなたを信じます」

「優しい心」

など。

その色や形は5,000種類もあり

当時持ち込まれた品種は

現在の福島県内にあたり安積沼(あさかぬま)

という所にあったものだそうです。

菖蒲の間から、花見物の人々が見えます。

花の見頃は6月中旬。

うっとおしい梅雨時に

鮮やかな色と気品のある姿を見せ

癒しと穏やかさを届けてくれます。

堀切の菖蒲園が誕生してから

近辺に他の菖蒲園も数多く生まれ

シーズン中には大いに栄えたといいます。

しかし次第にその姿は薄れていき

戦後、唯一復興を遂げたのは

この原点となった堀切園だけ。

その後、東京都の管理下となり

現在では「葛飾区指定史跡堀切菖蒲園」として

花菖蒲のほか

梅・藤・冬桜・牡丹など

四季折々の花を楽しめる場となりました。


姿・心・景色など

美しいものに惹かれることは

人としての原点。

ただ純粋に楽しみ慈しむ心

それを思い出すことが

あらためてこの時代に

必要なのだと感じます。

模写絵師つね吉八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つね吉が描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つね吉流儀」をお楽しみください。

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