両国橋大川ばた ーりょうごくばしおおかわばたー
歌川広重名所江戸百景より
両国橋大川ばた
水彩にて 模写絵師つねきち
隅田川の西側から東側に向けて描かれた、この場所は
江戸時代最大の歓楽地でした。
この前の幕府は防衛のため
千住大橋以外の橋を、隅田川に架けていませんでした。
ところが1657年に起きた明暦の大火の際
逃げ場を失った多くの町民が
尋常ではない程の被害に遭ったため
この両国橋が架けられました。
そしてそれを機に
江戸はどんどん東に伸びて栄え、
現在の江戸川までが
東京の範囲となったそうです。
橋の近くには葦簀(よしず)づくりの出店が並んでいます。
夏の3ヶ月間、夕涼みや船遊びのお客を対象に
ここで日用品や食べ物を売ったり
水茶屋を置いたりする事が、許されていました。
同じ場所を船の上から見た光景が
つねきちの以前の作品の中にあります。
この絵は水茶屋の宣伝用に描かれた
とも言われています。
出店の営業開始日が川開きとなり
たくさんの庶民で溢れかえっていたようです。
橋の下をくぐろうとする船が
みな帆をたたんでいますが、
広重はこの光景を好んで描いたそうです。
両国橋は破損や火災などにより何度も壊れ
その度に再建がなされました。
現在の橋の形は
関東大震災の後に作られたものだそうです。
転んでもただでは起きない
という言葉がありますが
人のしぶとさと
江戸庶民の発展性には
目を見張るものがあると思います。
次の手をうつ
その事が私たちの可能性を無限に広げ
新しい日々へ
到達できる世界を作ることでしょう。
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