深川萬年橋 ーふかがわまんねんばしー
歌川広重名所江戸百景より
深川萬年橋
水彩にて 模写絵師つねきち
現在の江東区にある深川は
徳川家康が江戸に入城したばかりの頃
土地がぬかるみで、人もあまり住んでいませんでしたが
その後、大阪から深川八郎右衛門一族が入り
開拓して住めるようになった為
その名が地名となりました。
この絵は小名木川に架かる橋から
見える風景が描かれています。
同じ橋を外側から描いたものを
以前につねきちが描いています。
さて、この紐で吊るされた亀が心配になるところです。
放生会(ほうじょうえ)といって
売る為に捕まえられた生き物を
あえて買い取り
自然に返してあげるという儀式があり
その準備として亀が吊るされています。
これは仏教でいう不殺生を行い
徳を積むもの。
亀を登場させたのは
「鶴は千年、亀は万年」と
萬年橋をかけた為です。
つねきちの描く亀には表情がついて
より一層おどけた雰囲気を感じさせます。
これから何をされるのか
ビクビクしながら、富士山を眺めている
一匹のニホンイシガメ。
寿命の万年を
まっとうして欲しいものです。
生き物への愛情を
思い起こさせてくれる儀式。
深川の富岡八幡宮では
現在も毎年9月の例大祭で
境内にスズムシを放つ
スズムシ放生祭が行われているそうです。
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