佃しま住吉乃祭 ーつくだしますみよしのまつりー
歌川広重名所江戸百景より
佃しま住吉乃祭
水彩にて 模写絵師つねきち
住吉神社は佃島の守り神で
江戸時代から水運信仰で賑わっていました。
住吉の祭りは3年に一度行われ
神が宿るといわれる
巨大な幟(のぼり)が掲げられていました。
戦国時代、京都本能寺の変で
織田信長が倒れた際
徳川家康も大阪にいましたが
明智光秀の兵から逃れる為に、川を渡ろうとしていたところ
船が動かなくなってしまいました。
ちょうどそこに居合わせたのが
摂津国佃村の漁師たち。
彼らが提供した漁船のおかげで
家康は無事岡崎に帰る事ができました。
その後、家康は江戸に埋立地を作らせ
佃村の漁師達に漁の特権を与え
そこに住まわせたのが佃島です。
こちらはつねきちが以前に描いた
葛飾北斎富嶽三十六景の
武陽佃嶌(ぶようつくだしま)
船には溢れんばかりの魚が積まれています。
お正月の元旦に将軍が食べる白魚は
佃嶌の漁民が上納していたそうです。
さて、こちらの幟は
全長が18mほどもあり
全部で6本が立てられたと言われています。
この竿部分は
お祭り以外の時には
水中で保管されているそうです。
幟の向こうでお神輿を担ぐ
つねきちワールドの荒くれ男たち。
お神輿の上には金色の鳳凰がいます。
絵のように美しく描かれた
「住吉大明神」の文字。
清々しい白旗からは
粋な夏風の香りが漂うよう。
当時と同じ雰囲気が感じられるお祭りが
今でもこの地に続いているそうです。
爽やかで霊験あらたか
この絵を見ているだけで
明るい開放感に包まれる気がします。
0コメント