赤坂切畑雨中夕けい ーあかさかきりはたうちゅうゆうけいー
歌川広重名所江戸百景より
赤坂桐畑雨中夕けい
水彩にて 模写絵師つねきち
現在の赤坂見附交差点の辺りには
江戸時代、溜池があり
その土手には桐がたくさん植えられていました。
この植樹は地盤を固めるためと
桐には鳳凰がとまるので縁起がよい
とも言われています。
傘をさしたり合羽を着て歩く人々がいますが
つねきちの世界では
決して雨に濡れることはありません。
赤坂見附の見附とは
見張りのいる城門のこと。
江戸城には全部で36箇所の見附があり、
現在も赤坂のほか、四谷見附という地名として残っています。
雨の三宅坂をあがると
上には永田町があります。
つねきちは雨の線をしっかり描いていますが
やはり、人にはあてていません。
どうしても人々を濡らしたくない
そんな想いが込められています。
こうしても見ても、かなりのざんざん降り。
この元絵は広重が亡くなったあと
二代目広重が描いたそうです。
雨の夕暮れを幻想的に仕上げていますが
つねきちの色合いは明るくて
技巧を懲らそうとも考えず描いていますので、
実際の風景はこんな感じだったのかもしれません。
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