日本橋通一丁目略圖 ーにほんばしどおりいっちょうめりゃくずー
歌川広重名所江戸百景より
日本橋通一丁目略圖
水彩にて 模写絵師つねきち
現在の中央区日本橋一丁目は
江戸時代の半ばまで
上方から進出してきたお店で栄え
多くの人々で賑わっていました。
※上方=関西方面
真夏の日差しをよける為
皆それぞれに傘をかぶり
色とりどりの
木綿の着物を着ています。
絵の一番右側にあるのが
日本の百貨店の先駆者、白木屋呉服店。
現在コレド日本橋のある場所です。
その左隣にあるのが
蕎麦屋の東橋庵で
その横には食傷新道(しょくしょうじんみち)
と呼ばれる飲食街がありました。
※食傷人道は現存しています
ちょうどその角から、二人の男性が
食事を終え出てきた姿も描かれています。
蕎麦屋の出前持ちの前で
真桑瓜(まくわうり)に
むしゃぶりつく人の顔は
久しぶりに見る、つねきちフェイス。
愛嬌たっぷりで微笑ましい顔です。
つねきちも食べる事が大好き。
夏場のメロンにも、こんな風に
かぶりついて食べています。
さて絵の中心で大道芸を披露しているのは
住吉踊りの一行。
華やかな二段重ねの傘に
鮮やかな茜木綿をめぐらせ
竹を叩いて拍子を取り、歌いながら踊っています。
その真後ろに続くのは
三味線を抱えた女丈夫。
この踊りはもともと
大阪近辺にある住吉神社の
田植え踊りが発祥で
かっぽれの前身といわれています。
かっぽれとは
三味線などに合わせた愛嬌のある踊りです。
みな傘で顔が見えませんが
江戸のど真ん中で
粋な木綿を着こなした庶民の
暑さを跳ね返すほどの活気が感じられます。
今より不自由であった筈の時代で
夏だからこそ得られる楽しみ。
見ているだけで
何だかワクワクしてくる一枚です。
一年のスタートにふさわしい
活力溢れる絵だと思います。
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