日本橋江戸ばし ーにほんばしえどばしー
歌川広重名所江戸百景より
日本橋江戸ばし
水彩にて 模写絵師つねきち
夏の早朝、日本橋の上から
下流にある江戸橋が見えています。
四季ごとに別れている
名所江戸百景、夏の部の最初の一枚は
やはり日本の道路の始まり地点から。
欄干の向こうに見えるのは
鎧の渡し小網町の蔵。
鎧の渡しとは
源頼義が遠征でここを通る際に
嵐を沈めるため
鎧兜を淵に沈めて龍神に祈ったところ
雨風がおさまり、川を渡る事ができたので
その名がついたといいます。
魚河岸から魚屋が
天秤で運ぶ初鰹。
初物を食べると75日長生きする
と言われていたこの時代で
鰹の初物は、女房を質に入れても食べたい
と言われるほど貴重がられ
通常の10倍である750日
長生きすると思われていました。
左上にある橋の黒い飾りは
擬宝珠 ぎぼし と呼ばれ
伝統的な建築物に施される装飾です。
日本橋は
徳川家康が幕府を開いた時に作られ
公儀橋として重んじられていました。
爽やかな初夏の風の中
空を飛ぶのは都鳥でしょうか。
橋の明るい黄色と
間からのぞく船の
しっとりとした雰囲気が
江戸の文化を彩ります。
つねきちの筆もより細密になり
絵に重厚な温かみを感じさせます。
奥さんを質屋に入れても、だなんて
今の時代にそんな事を考える人はいないでしょうが
寿命の短かった江戸時代
夫婦は添い遂げるものだからこそ
笑い話にできたのだと思います。
私たちには思いつかないような
粋なやり取りで
生活していた江戸っ子たちを
知る事でまた元気をもらえそうです。
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