玉川堤の花 ーたまがわつつみのはなー

歌川広重名所江戸百景より

玉川堤の花

水彩にて 模写絵師つねきち



現在の新宿御苑正門あたりには

江戸の生活に欠かせない

玉川上水の流れがありました。

この辺りには岡場所=※幕府非公認の遊郭があり

※幕府公認の遊郭は”吉原”

すでに栄えていましたが、

さらなる集客のため

川沿いに約75本の桜を植えて

お客を導こうとしていました。

その際、桜の枝を折られないように

「これは幕府の樹木」と書き記しましたが、

実際は幕府の許可をとっていなかった為

全ての桜を撤去されました。

つまり、この絵は広重が

満開になる桜を見越して描いたもの。

実際には絵を仕上げるにあたり

岡場所の経営側から

広告宣伝の目的として依頼があった

といわれています。


結果として”絵に描いた花”

となってしまった作品ですが

江戸の観光ガイドや

宣伝ポスターとしての役割を

しっかり果たしていたと思います。


現在ではこの川は埋め立てられ

道路になっていますが

新宿御苑でお花見を楽しむ時には

江戸時代にこんなストーリーがあったと

考えながら歩くのも

また一興かと思います。



模写絵師つね吉八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つね吉が描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つね吉流儀」をお楽しみください。

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