市ヶ谷八幡 ーいちがやはちまんー
歌川広重名所江戸百景より
市ヶ谷八幡
いちがやはちまん
水彩にて 模写絵師つねきち
市ヶ谷八幡宮は
太田道灌が25歳の時に築いた江戸城を
鎮守する為に建てられました。
鎌倉の鶴岡八幡宮からの分霊をしたので
鶴に対し亀、ということで
亀ヶ岡八幡宮とも呼ばれていました。
その門前町は江戸随一といわれるほど大盛況で
水茶屋や芝居小屋に多くの人々が集まっていたそうです。
霞雲によるデフォルメ効果で
華やかさと厳かな雰囲気が漂っています。
つねきちも非常に丹念に描き込み
重厚な歴史を感じられる一枚となりました。
生い茂る木々の葉や
桜の色合いなども
細かく描きこまれています。
濃い緑の中で
八幡宮の屋根の赤が際立ちます。
江戸文化のもとを築いたといわれる
太田道灌は
1457年に完成された江戸城に入り
その後30年にも及ぶ戦乱の世で
大活躍をしました。
その功績は末長く語り継がれ
今でもJR有楽町駅や日暮里駅
埼玉の川越市役所・岩槻市役所
龍穏寺、神奈川の伊勢原市役所などの各地で
銅像を見る事ができます。
特に日暮里駅前の馬に乗った太田道灌像は
鷹狩りの時の姿をしていて
日が暮れるのも忘れるほど楽しい場所であった
日暮らしの里、日暮里を
感じさせてくれます。
江戸時代の人々は信仰とともに暮らし
そこにたくさんの人が集まり、行楽の地となりました。
インターネットや高性能グッズのない時代
美しい自然の中で
人々は共に幸せを感じていました。
そこに一緒にいるだけで満たされる
時を忘れるほど楽しい場所。
それは私たちの気持ちひとつで
手に入るものなのかもしれません。
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