廣尾ふる川 ーひろおふるかわー

歌川広重名所江戸百景より
廣尾ふる川


水彩にて模写 つねきち


港区を流れる古川は
江戸時代、玉川上水の水圧を調整するために
作られた水路から続く川で
現在は渋谷川と呼ばれています。

橋の上を日傘をさした人たちが歩いているので
季節は夏と思われます。


この橋は五代将軍綱吉の別荘の
白金御殿が建つとき、一緒に改修され
四ノ橋と名付けられました。


また、西北に土浦藩主土屋相模守の下屋敷もあったので
相模殿橋と呼ばれる事もあったそうです。



丘の上には有名な鰻屋「狐鰻」があります。


昔から日本人にとって鰻は身近なものでした。


土用の丑の日には”う”のつく物を食べると縁起がよい
と言われていますが、
江戸時代にお客の入らない鰻屋が
平賀源内に相談したところ
「今日は丑の日」と店先に書いておくよう言われました。


すると店は大繁盛。


周囲の鰻屋も真似をしたので

この時期に鰻を食べる風潮ができた
と言われています。




またこの時代の名所と呼ばれるところには
寺社が多くあり
ここにも白金神社が置かれていたそうです。


白金神社は1772年の明和の大火や
1945年の第二次世界大戦でも被害にあい
その後1958年に再建されています。



寺社めぐりの後に食事と休憩をとる場所
白金と聞くと高級住宅街を想像しますが
こうして見ると下町の温かい雰囲気を
感じる事ができます。


災害を乗り越え復興し
知恵を絞って食文化を築いてきた日本のご先祖たち。


そのおかげで今日の私たちは
綺麗な景色を見ながら、名物の食事ができるわけです。


感謝する心を大切に
1日1日を噛み締めて味わい生きたいと思います。


模写絵師つね吉八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つね吉が描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つね吉流儀」をお楽しみください。

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