王子稲荷乃社 ーおうじいなりのやしろー

歌川広重名所江戸百景より
王子稲荷乃社
水彩にて模写 つねきち


王子稲荷は平安時代に
源頼義が奥州(東北)へ攻め入る時に
信仰した神社で
関東近辺の稲荷社を束ねる神社でした。

落ち着いた風景の中で
赤い社が際立ちます。


稲荷大明神は衣食住の神。
人との橋渡しをするのが狐です。
その、狐へのお供え物といえば油揚げ。


当時、揚げ物用の油は高級品で
なかなか庶民の手には入りませんでした。


江戸中期になり、やっと油が普及してきた頃
庶民の食卓に登場するようになった、油揚げ。


人々はこれをお供え物にするだけでなく
生きている狐が住む穴にも入れたそうです。



木の間から見えるのは筑波山。


空の赤い差し色が
薄衣を這わせたように景色を引き立てています。



毎年2月最初の午の日に行われる凧市では
江戸中期から火伏せの神として崇められた、凧のお守りが売られます。


当時の火事の被害の多くは風によるもの。


風をきってあがる凧は
風を制するので
とても縁起が良いと言われました。


凧のお守りは無病息災・商売繁盛にもご利益があるそうです。


このように
多くの人から信心されたものは
浄化され大きなエネルギーを持つようになり
気持ちだけでなく、現実もよい方向に向かうのだと思います。


自然と共に生きていた昔の人たちは
そのことを知っていたのかもしれません。


毎日、祝福と感謝の気持ちを持つのは
難しいことかもしれませんが
お守りを目にしたり手にとったりする事で
思い出すことができますよね。


神社のような霊場に行くと
何となく清廉な気持ちになれます。


時々は神様に手を合わせて
祝福と感謝の言葉を
唱えてみるのもよいかもしれません。

模写絵師つねきち八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つねきちが描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つねきち流儀」をお楽しみください。

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