筋違内八ツ小路 ーすじかいうちやつこうじー

歌川広重名所江戸百景より 筋違内八ツ小路 すじかいうちやつこうじ 水彩画 

模写絵師つねきち 


 現在の交通博物館跡地〜神田郵便局のあたりです。 

 江戸城には頑丈な門が 全部で36ありました。 

 その中で、お濠に面した場所は 戦の際の防御として門が2つありました。 

ここはその1つ目の門から入った広場で 

 八つの道が交差することから 八つ小路と呼ばれていました。 


右奥にあるのは神田明神。 

 その横に神田川があり 手前には火除土手、 土手の切れ目にある小屋が番所です。

この広場は火事の多かった江戸の避難所でもあり 

 武士、商人、駕籠屋など 色々な人が通っているのが見えます。 

 明治時代に入ってから この辺りは万世橋駅になり 中央本線の起点として知られました。 

その後万世橋駅はなくなりましたが 近年、旧万世橋駅として再現されています。

左側の黒い建物は武家屋敷。 

 質素な作りに見えますが、雰囲気がありますね。 

遠くにある木々や建物、人々など非常に細かいですが 

 つねきちは手を抜くこともなく ひとつずつ、きちんと描いています。 

 特に樹木の葉などは 北斎画風を完全にマスターしてると言ってよいでしょう。 

行列は大名の奥方のものと言われています。 

 あでやかな色づかいでセレブ感がありますね。 

 右下にあるのは よしずで囲った掛け茶屋。 

 行列に見入る人々もいます。 

 大名行列は大名にとって 金銭的にもかなりの負担だったようですが、 

パレードのように華やかにも見えます。  

ここにも独特の木が描かれています。 赤い霞のような神田川が神秘的です。

大きな広場で さまざまな身分の人たちが横行しているさまは 

 江戸の平和を感じさせます。 

 その後およそ160年後の今に至るまで 歴史は流れ景色も変わりましたが 

日本という国を守り続けてくれた私たちの祖先たち。 

 その縮図とも呼べる名所百景です。 

 引き続き、お伝えしていきたいと思います。 



模写絵師つね吉八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つね吉が描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つね吉流儀」をお楽しみください。

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