芝神明増上寺 ーしばしんめいぞうじょうじー

歌川広重・名所江戸百景・秋の部より 

 「芝神明増上寺」 つねきち水彩にて模写 


 現在の東京都港区にあった 

 芝増上寺は 

 上野寛永寺と並び 

 徳川家の菩提寺とされていました。 

 このあたりは地相が良いため 

 多くの寺院が建てられていたそうです。

絵の左側に見えるのが 

 増上寺の大門。 

 右側にあるのが芝神明宮の社殿です。 

 左下にいる一団は 

 ここの若手修行僧たちで 

 毎日夕方の四時(七つ時)になると 

 托鉢に出かけたそうです。 

 拍子木を鳴らしながら、

念仏を唱え歩く 彼らの姿を見て 

 江戸の人々は「七つ坊主」と 呼んでいました。

その前方を歩いているのは 

 地方から江戸見物に来た 

 御上りさん(おのぼりさん)と呼ばれる一行。 

 女性は手拭いを姉さん被り(あねさんかぶり)

にして 脚半(きゃはん)を身につけ、 

 男性は股引き(ももひき・またひき)を履いています。 

 脚半は現在のレッグウォーマーのようなものでしょうか。 

 ももひきは職人さんが履いたり 

 下着として使っていました。 

 絹製のものは「パッチ」 と呼ばれていたそうです。 

 今だと「トレンカ」や「レギンス」に 当たりそうですね。 

 一人一人の顔を見ていると 

 つねきちの描く表情が独特で 

 何となく笑ってしまいそう。

旅の一行の後部にいる男性が 

 むしろを抱えているので 

 「野宿でもするのかな?」と思ったのですが、 

 当時は庶民が宿泊する為の場所は 

 結構あったようで 

 農家が兼業で開いている旅籠だったり 

 寺社でも宿坊を設置している事が 

 多かったそうです。 

 と、いうとむしろは休憩したり

 雨風を避けたりにつかっていたのでしょうか。 

「つねきちワールド」に住む人々の 

 息づかいまで伝わってくるような 

 ぬくもりに溢れた一枚となりました。





【模写絵師つねきち】の絵の中に入る!!

つねきちワールドで繰り広げる物語

   


模写絵師つねきち八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つねきちが描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つねきち流儀」をお楽しみください。

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