四ツ谷内藤新宿 ーよつやないとうしんじゅくー

歌川広重・名所江戸百景・秋の部より 

 「四ツ谷内藤新宿」 

 つねきち水彩にて模写 


 「内藤新宿」は多摩や秩父から 

 江戸に物資を運ぶ「甲州街道」で 

 最初に宿場があったところ。 

 絵の中では 現在の新宿2丁目あたりから 

 四ツ谷方面に臨む景色が見えています。

画面いっぱいの「馬のお尻」 

 何だかもうお腹いっぱい・・・ 

 という気がしてしまいますが。 

 当時の庶民にとっては 

 よく目にする光景だったよう。 

 その向こうに並んでいるのは 

 「さなさや」という茶屋と旅籠。 

 さらに奥には 水番所と森が描かれています。 

 この辺りには「飯盛女」(めしもりおんな) 

 と呼ばれる非公認の遊女がいて 

 幕府からは「150人までならOK」と 

 黙認を受けていたようです。   

もっと際どいのは、こちらの馬糞。 

 絵にはあまり描かないものと思いますが 

 滅多に見れないから、運がいい! 

 とでも書いておくしかありません。 

 そして、馬の足には何と草鞋(わらじ)が・・・! 

 しかも、ちゃんと馬の足に合った形です。 


 荷物の運搬に、牛や馬が

頼りだった江戸時代 

 馬の蹄(ひづめ)が傷まないよう 

 馬沓(うまぐつ)と呼ばれる草鞋がありました。 

 それは、藁の他に糸・植物の茎・人の髪の毛を 

 編んで作っていたそうです。 

 4本全ての足に履かされていて、 

 何だか可愛らしいですね。

岡場所(非公認の遊郭)に 

 馬のお尻に馬糞とは 現実直視にも程がある。 

 とは、江戸の人々は言いません。 

 皆さん、この絵を「ウマい!」

と喜び 褒めていたそうです。

 馬の股下から覗く景色は 

 人間達の営みを

一歩引いた 視点で見せてくれます。




↑つねきちの絵の世界に入るストーリーです。

模写絵師つねきち八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つねきちが描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つねきち流儀」をお楽しみください。

0コメント

  • 1000 / 1000