武州玉川 ーぶしゅうたまがわー
現在の東京都府中市のあたりです。
今では競馬場や競艇場など公営の賭博場があり賑わっていますが、昔は遠くの富士山も
はっきりと見えるような場所だったようです。
北斎は岸と川と対岸の富士をくっきり3分割にし、幻想的な構図に仕立てました。
流れの速さを表す波の模様、その上を芝船が揺られながら富士に向かい進んでいます。
陸の方にはまるで物語を語るような佇まいで農夫と馬がいます。
つねきちの描く馬がペガサスのように見えるのですが、青系メインの絵に赤の差し色を
使い、どこか浮世離れを感じさせるこの絵に、暖かい情味のある風合いを加えました。
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