浅草川大川端宮戸川 ーあさくさがわおおかわばたみやとがわー

歌川広重名所江戸百景より

「浅草川大川端宮戸川」

水彩にて 模写絵師つねきち


浅草川・宮戸川とは

浅草付近を流れる隅田川の呼び名です。

船に乗っているのは、

当時の富士山信仰と共に流行った

大山講(おおやまこう)という団体。

大山講は、現在の神奈川県伊勢原市にある

大山を信仰し、

毎年6月末から7月中旬にかけての

山開きにあわせて出発をします。

まずは、浅草あたりの川で

出発前の水垢離(みずごり)を行いました。

水垢離とは川の中の垢離場に入って

唱文をとなえ

その度にわらしべを流すという水行です。

「ざんげざんげ、ろっこんしょうじょう・・・」

と皆で一緒に唱えながら煩悩を断ち切り、

道中の無事を祈りました。

それを終えると船に乗り込み

講の象徴である、紅白の梵天と共に

大山詣でに向かいます。

富士山よりは近く

のぼりやすい高さ、ということで

当時、全国の大山信者を合わせると

70万人にもなる、といわれていました。

行楽の要素もあり、楽しめたので

町内会で積立をして、ツアーを組んだりして

このように大勢で向かったようです。

梵天の向こうに見えるのは

料亭「八万楼』(はちまんろう)

正面奥にあるのは

筑波山です。


皆で共にお清めをして

同じ船にのり

参拝を果たすことは

当時の人々の楽しみや励みとなったことでしょう。

夏の風にのり

つねきちも爽やかな気持ちで

この絵をすっきりと鮮やか

そして、祈るようにたんねんに仕上げました。

模写絵師つね吉八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つね吉が描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目は時空を超えて当時の景色をそのまま映しているのです。 そんな独特の「つね吉流儀」をお楽しみください。

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