四ツ木通用水引ふね ーよつぎどおりようすいひきふねー
歌川広重 名所江戸百景より
四ツ木通用水引ふね
水彩にて模写 つねきち
葛飾区と墨田区にかけて流れる曳舟川(ひきふねがわ)で
柴又帝釈天に向かう旅人たちが
引船に乗り、移動しています。
引船(ひきふね)とは
船を魯や竿で漕ぐのではなく
岸から綱で引いて動かす船のこと。
何だか子供の水遊びのようにも見えますが・・・
この川は幅が狭く水深も浅いので
魯や竿がひっかかってしまい
それで、こうして人力で引っ張って動かしていました。
ちょっと見慣れない感じの姿ですが、
江戸時代の交通機関としては、大変人気があったようです。
確かに、水上で風に吹かれながら
目的地までゆったりと過ごせたり
乗り合いの相方とのお喋りもあり
なかなか楽しそうに見えます。
実際の曳舟川はほぼ直線で
このカーブした風景は、広重独自の構図だそうです。
青味の効いた一面で、朱色が鮮やかに煌き
湿地帯に人々の活気を感じます。
現在では、この先に曳舟川親水公園があり、
自然の川が再現された
水遊びのできる場所として
賑わっているそうです。
不便の見方を変えて
楽しんでいた江戸の人々から
まだまだ教えて貰える事がありそうですね。
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