ファン・ゴッホ あどけない精神科医の肖像
ファン・ゴッホ 「医師ガシェの肖像」
油絵にて模写 つねきち
ポール・ガシェはゴッホの最期を看取った精神科医で パリ近郊に住み、
たびたびゴッホの診察を行っていました。
こちらは元絵の肖像画。
ゴッホが亡くなる1ヶ月ほど前に描いたそうです。
この絵についてゴッホ自身が妹宛ての手紙にこう書いています。
「私は医者ガシェの肖像を憂鬱さを帯びた表現で描いた。
見る人によっては顔をしかめるかもしれない。
悲しいが優しく、はっきりと知性を感じさせる作品だ。
おそらく100年後に評価されるかもしれない。」
眉間に皺を寄せ遠くを見つめる哀しげな瞳。
背景の鮮やかなブルーとテーブルのはっきりした赤が
彼の憂いをよりいっそう際立たせています。
治療をする側でありながら 自身も精神を患っていたというガシェ医師に対して
ゴッホの第一印象はあまり良くはありませんでした。
それでも時間とともに 自分と体格や精神面が似ている医師に
しだいに心ひかれ まるで兄弟のように親しい関係になったといいます。
ポール・ガシェにも芸術の気質があり 趣味で数々の絵を残していて
ゴッホを描いた作品もあったそうです。
つねきちの描いた医師ガシェは ほろ酔いの妖精のような顔で
憂いというよりあどけない雰囲気があるのが面白いところ。
背景はつねきちの侍青(サムライブルー)
なぐり描きのように力強く絵の具を塗り込めています。
上着の質感や手指の肌合いも
決して繊細とは言えませんが独特の仕上がりです。
不思議な色合いの花がくっきりと存在し 黒い輪郭線が反対色の濃淡をより強めています。
油絵独特のギトギトした雰囲気から
つねきちの若さとエネルギーを感じます。
元気に泳ぐ魚のように光る瞳で これから好きなコにプロポースでもしてしまいそう。
医師の悩みを取り外したような 無垢な肖像画。
2019年まずはスタートの作品です。
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