神田紺屋町 ーかんだこんやちょうー

歌川広重・名所江戸百景・秋の部より 

 「神田紺屋町」 

 つねきち水彩にて模写 


 現在の東京都千代田区にある 

 神田紺屋町(かんだこんやちょう)には 

 多くの藍染職人が集まっていました。 

 近くには「藍染川」と呼ばれる川が流れ 

 ここで作られる藍染は 

 当時の流行を担っていたそうです。

藍染の歴史は古く 

 7世紀ごろに中国から日本に伝えられた 

 と、言われています。 

 戦国時代には褐色に近い藍色は 

 褐色=勝ち色とされ 

 非常に縁起が良いので 

 武士に好まれていたようです。 

 藍染の原料は国内ならタデアイや

 沖縄の琉球藍、またインドの木藍などがあり 

 布地を強化したり、防虫・殺菌効果もあるので 

 鎧の下着としても用いられていました。

「紺屋の白袴」という言葉があるように 

 「忙しすぎて自分の袴を染める暇もない」 

 それぐらい、ここの染め物は人気があったのでしょう。 

 絵の左側にも様々な模様の布が見えています。

つねきちが定規も使わずに 

 まっすぐ描いた物干しの線と 

 スラリと伸び、きちんと干された染め物たち。 

 その向こうに、きっちり座した富士山。 

 眺めていると、思わず 背筋がピンと伸びてくるような構図です。 

 繊細で謙虚な色合いで 

 優しげな秋の風景に仕上がりました。  


模写絵師つねきち八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つねきちが描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つねきち流儀」をお楽しみください。

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