堀江ねこざね ーほりえねこざねー

歌川広重・名所江戸百景・秋の部より 

 「堀江ねこざね」 

 つねきち水彩にて模写 


 現在ディズニーリゾートがある 

 浦安市の辺りには 

 堀江と猫実(ねこざね)という地名があります。 

 絵の中央を流れるのは「境川」。 

 その字の通り、村の境目を流れています。

その境川の左にあったのが「堀江村」

 鎌倉時代、ここに小さな港が作られたことから 

 「堀江」の名前がつきました。 

 そして、右にあるのが「猫実村」 

こちらも鎌倉時代になりますが 

 高波で被害を受けた人々が 

 付近に頑丈な堤防を築き 

 その上に大きな松の木を植えて補強したそうです。 

 「どうか波が松の木の根を越えてこないように」

 と願ったことで 「根越さね」の地名がつき 

 それが「猫実」になったとのこと。

 絵の中にある二つの橋は 

 手前が「境橋」 奥が「新橋」で 

 どちらも現存しているそうです。

右下の方でヒモのような物を持っている人がいます。 

 これは「無双網」といって 

 餌を撒いて水鳥をおびき寄せ 

 網で一斉に捕まえる猟の方法なのだそうです。 

 確かに、陸には白い小鳥のような群れがいます。 

 当時は生活の為に こうしていたのでしょうが、 

 そうと知ると、見るのも辛い気がします。 

 でも、大丈夫。 

 つねきちの世界では この鳥たちは永遠に捕まりませんから。 

 とりあえず、鴨料理とかは当分食べないことにします。

絵の左中央辺り、茂みの中に 灰色のやしろが見えます。 

 これは豊受神社(とようけじんじゃ)のもの。 

 ジグザグに流れる境川の向こうに 

 江戸湾(東京湾)があり 

 二艘の船の帆が見えています。 

 この辺りは江戸に塩や海・農産物を運ぶ為の船や 

 旅人で賑わっていたそうです。 

 水辺に集まる家々を見ていると 

 やはり、ここも水の都。 

 知恵を絞って暮らしをたてていく 

 昔の人々の息遣いが 

 伝わるような光景です。




つねきちの絵の中に入る物語です。よろしければチャンネル登録お願いします。

模写絵師つねきち八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つねきちが描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つねきち流儀」をお楽しみください。

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