千住大はし ーせんじゅおおはしー

歌川広重名所江戸百景・冬の部より

千住大はし

せんじゅおおはし

模写絵師つねきち水彩にて


徳川家康が天下統一をする直前の

1594年、隅田川に

最初に架けられたのが

この千住大橋です。

当時はまだ戦が続いていたので

敵に攻められないよう

隅田川には、この橋一つしか

ありませんでした。

その前までは渡し船を使って

川を渡っていました。

100m以上もあったという、この橋は

幾度も改修を繰り返され

1885年の台風で崩れるまでの約300年間

今の足立区と荒川区を結び

江戸の人々の通行を守りました。


「千住」という地名は

その昔、ここにいる漁師が

川の中から千手観音を見つけたから

と言われています。

遠くに見える山は方角的には秩父連山ですが

絵の構図に深みを出すため

広重は霞雲と日光連山を描いたそうです。

絵の左端に材木が浮いています。

この辺りは材木問屋が多く

当時は水路を使って木材を運んでいました。

くっきり見える景色と

はっきりした水彩の色合い。

つねきちは細筆一本で

全ての輪郭線を描いています。

江戸幕府が開き

江戸一帯が整備されるようになると

千住大橋以外に両国橋も架けられましたが

江戸で主要な川路を守る

最初の橋としてのプライドを、誇るように

整った描線で仕上げた作品です。

模写絵師つねきち八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つねきちが描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つねきち流儀」をお楽しみください。

0コメント

  • 1000 / 1000