高田の馬場 ーたかたのばばー

歌川広重名所江戸百景・冬の部より

高田の馬場

たかたのばば

水彩にて 模写絵つねきち


現在の東京都西早稲田3丁目付近には

徳川家光が作らせた

旗本たちの為の馬術の練習場がありました。

高田の馬場は、赤穂浪士47名のうちのひとり

堀部安兵衛が決闘を行った

場所としても有名です。

絵の中ほどに馬の走路が見えています。

細長く作られたこの場所は

弓術の練習にもぴったりでした。

ちょうどこの日はその大会があったようで

右側に射り手の順番を待つ

人々が集まっています。

深い緑色の景色が続く道を

真っ直ぐに走る馬は

見る者に集中力を与えてくれるようです。

その奥に見える富士山を

つねきちは、ふんわりと

マシュマロのように優しく塗りあげました。


力強い松の木に刺さる矢、

その向こうにある的(まと)

チクチクと生い茂る葉の隅々まで

迷いのない筆力が込められています。

元の浮世絵で、この白い的は

”布目刷り”という技術が使われているそうですが、

つねきちはその部分を

むらなく真っ白に染め

矢も跳ね返すような弾力を感じさせています。

どことなく抜け感のある空と地面に

ぽっかりと浮かぶ白い円。

興味を持たずにはいられない

そんな面白みのある一枚です。

模写絵師つねきち八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つねきちが描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つねきち流儀」をお楽しみください。

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