品川すさき ーしながわすさきー

歌川広重名所江戸百景・秋の部より

品川すさき

模写絵師つねきち水彩模写



現在の東京都品川区内にあたる場所

南品川から目黒川に沿って、砂洲で出来た小さな島

=須崎(すさき)がありました。

そこには水の神様・弁財天の祠があり

参拝者で賑わっていました。

また、この辺りには漁師たちも住んでいて

武蔵方面(埼玉、東京・神奈川の一部)に

運ばれる物資の船着場があったそうです。

どこかおどけた雰囲気の

つねきちワールドで

今まさに鳥居をくぐろうと

している人がいます。

江戸時代初期に、沢庵宗彭(たくあんそうほう)が

祀ったことが始まり

と言われている「洲崎弁天社」は

現在では「利田神社」(かがた神社)となりました。

ここには当時、江戸の人々を驚かせた

「寛政の鯨」の頭部を埋葬した

鯨塚が祀られているそうです。

※「寛政の鯨」台風の影響で江戸湾(東京湾)に迷い込んでいた

鯨を天王洲まで追い込み捕獲したもの。

お参りを終え「鳥見橋」を渡る人々。

そのまま、周囲に立ち並ぶ

料亭や遊郭に向かうのかもしれません。

左下に見えるのが有名な「土蔵相模」

という妓楼(ぎろう)です。

ここで幕末の勇士と呼ばれる

高杉晋作や伊藤博文たちが集まっていた

と、いわれています。

赤い着物姿は遊女でしょうか。

春は桜、秋はお月見の名所とされた

美しい景観の地です。

海の途中にある陸地は

外国船からの攻撃に備え作った

砲台を置くための埋立地(お台場)ですが、

実際に使われる事はなかったそうです。

遊郭、鯨の頭、砲台

と聞くと、何となく生々しい気持ちになりそうですが

つねきちの描いた

小さな赤い鳥居や

白く清廉な船の帆が

やさしい温かみを感じさせます。

心も体もやわらかく

ほっとできる、くつろぎの海。

それも、つねきち流儀なのです。

模写絵師つねきち八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つねきちが描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つねきち流儀」をお楽しみください。

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