深川木場 ーふかがわきばー

歌川広重名所江戸百景・冬の部より

深川木場 ーふかがわきばー

水彩にて / 模写絵師つねきち


深川は材木問屋がたくさんあった場所で

大きな材木たちを筏にして

隅田川にのせ運んでいました。

凍るような寒さの中

蓑を着た人夫たちが

長い竿を使い材木を流しています。

元の浮世絵では

ぼかしがふんだんに使われた川を

つねきちは細筆一本で

大切に幾度も塗り込め

遠くまで続く、深い水路を表現しました。

二匹の雀たちが

江戸のやさしい雪景色を

楽しむように飛んでいます。

下の方では犬も二匹。

この時代、犬や猫は自由に歩き回り

人々に可愛がられていたのでしょう。

ほのぼのとした光景です。

地面や木々、屋根、材木

そして置かれた番傘にも

しんしんと降り積もる雪。

寒くて立っていられない

そんな光景のはずですが

ふんわりとした温かみさえ

感じられる作品です。

端正な筆線を見つめていると

何となく、心がととのう。

そんな、つねきち画風の面白みを

満喫して頂ける一枚となりました。



模写絵師つねきち八卦鏡

知的障害を乗り越え描く、無垢な魂の筆使い。 つねきちが描く色合いは、渋みが主流の浮世絵とはちょっと違っています。 彼の目には江戸時代の景色がそのまま映っているからです。 そんな独特の「つねきち流儀」をお楽しみください。

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